シャンパーニュを気軽に楽しむ専門WEBメディア

ビオディナミのシャンパーニュ【フランク・パスカル】

人生の転機が訪れて、まったくの異業種から、シャンパーニュ(シャンパン)の世界へやって来たフランク・パスカル氏は、ビオディナミやSO2無添加など、業界での常識を打ち破る挑戦をしてきました。その目的は、ただ単純に、純粋な味わいのシャンパーニュ(シャンパン)作ること。そんな熱意あふれるフランク・パスカルをご紹介します。

 

フランク・パスカルとは

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区の小さな村を拠点に、ビオディナミを実践しているRM(レコルタン・マニピュラン)で、フランク・パスカル氏と、妻のイザベル女史が運営しています。7haの畑を所有し、その3分の2は馬による耕作を行っています。AB認証(オーガニック)と、ビオディヴァン認証(ビオディナミ)を取得しています。

 

○フランク・パスカルの歴史

パスカル氏の祖父がぶどう栽培をしていて、父の代で元詰めを始めました。その父の跡を継ぐはずだった兄が不慮の事故で急逝してしまったため、パスカル氏が1994年から実家の仕事に携わることとなりました。それまで工学の仕事をしていた知識から、畑に化学薬品を使用することは、軍が化学兵器を使用することと同義だと危険性を感じたパスカル氏は、1998年に化学薬品を止め、その後、ビオディナミに転向しました。

 

○フランク・パスカルのこだわり

・ムニエ

パスカル氏が、まず初めに父から託されたのが、0.5haのムニエの畑でした。父とは、栽培方法について意見の相違がありました。収量は少なくても、高品質のシャンパーニュ(シャンパン)を生み出せるぶどうを作りたいとするパスカル氏の思い通りの栽培は、ムニエから始まりました。現在の栽培も、ムニエ70%、ピノ・ノワール20%、シャルドネ10%と、多くがムニエです。

 

・ビオディナミ

化学薬品を使用しないと決めたパスカル氏は、まずビオロジックを取り入れましたが、その後の実験の結果、この土壌では、ビオディナミ農法の方が、ミネラルの多い、理想のシャンパーニュ(シャンパン)を追求できることが分かり、2005年には完全にビオディナミに移行しました。また土地の分析を行って、火山性硫黄を用いた、石灰質土壌に適した肥料を作ることにも、2010年に成功しました。

 

ドザージュやSO2をなくす挑戦

ドザージュをしないで、ぶどう本来のナチュラルさを保つこと。また、酸化防止剤のSO2を添加しなくても、酸化によってピュアさが失われないこと。これらを実現するためには、ビオディナミによって健全なぶどうを栽培して完熟させ、ぶどうの持つエネルギーを存分に生かして醸造すること。この哲学を胸にあくなき挑戦を続けています。

フランク・パスカルのアイテム一覧

  • スタンダード・キュヴェ(N.V.)Franck Pascal Reliance Brut Nature フランク・パスカル ルリアンス ブリュット・ナチュール

ムニエ80%、ピノ・ノワール16%、シャルドネ4% ドザージュ:0g/L

以前は、同キュヴェで、ドザージュ有り無しの2種を生産していました。

 

  • 黒ぶどう2種のブラン・ド・ノワール Franck Pascal Harmonie Blanc de Noirs Extra Brut Millésime フランク・パスカル アルモニ ブラン・ド・ノワール エクストラ・ブリュット ミレジム

ムニエ50%、ピノ・ノワール50% ドサージュ:4g/L

ムニエとピノ・ノワールの素晴らしいハーモニー(アルモニ)が楽しめるキュヴェです。

 

  • より純粋な味わいを追求し続け、ついに完成したSO2無添加のシャンパーニュ(シャンパン)Franck Pascal Sérénité Brut Nature Millésime フランク・パスカル セレニテ ブリュット・ナチュール ミレジム

ムニエ、シャルドネ ドザージュ:0g/L SO2無添加 試行錯誤を繰り返し、約10年の歳月をかけてやっと仕上げることができました。

                                
フォロー