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意外と知らない!?デザート×甘口シャンパーニやラタフィアとは

シャンパーニュ(シャンパン)は、食前酒のイメージが強いかもしれませんが、フランスの公式な晩餐会では、デザートとともに供されるのもまた、シャンパーニュ(シャンパン)です。宴のフィナーレを飾るにふさわしいのは、やっぱりシャンパーニュ(シャンパン)なのですね。デザートとのマリアージュには、甘口、または存在感のあるプレステージ・キュヴェがいいとされますが、ここでは、甘口のシャンパーニュ(シャンパン)をご紹介します。

甘口のシャンパーニュ(シャンパン)は基本3種類

シャンパーニュ(シャンパン)の甘辛度は、ドザージュによる残留糖度で決まります。
ドゥー (Doux)        50g/L以上 極甘口
ドゥミ・セック (Demi Sec)   32~50g/L 甘口
セック (Sec)         17~32g/L やや甘口

甘口のシャンパーニュ(シャンパン)は、一般的にドゥーからセックを指し、その甘辛度はラベルにも表記されています。なお、ドゥーは生産量がとても少ないので、日本でお目にかかることはあまりありません。

また、シャンパーニュと名がつくけれど、シャパーニュ(シャンパン)ではない、ラタフィア・ド・シャンパーニュというリキュールがあります。これは、発酵していないぶどうのジュースに、ブランデーを添加して作る、甘口の酒精強化ワインです。なので発泡はしていません。アルコール度数は、17~18度程度のものが多いです。もちろん、本来はシャンパーニュ(シャンパン)を作る用のぶどうが使われていますし、甘口なので、こちらもデザートに合わせていただくワインとしておすすめです。

 

デザートにピッタリ!甘口×ラタフィア・ド・シャンパーニュ6選

1.ルイ・ロデレール「カルト・ブランシュ ドゥミ・セック」

17世紀に誕生したシャンパーニュ(シャンパン)は、19世紀までは、甘口であることが常識でした。ルイ・ロデレールは、2006年ヴィンテージからドザージュ・ゼロのブリュット・ナチュールを作っていますが、これを「極めてモダン」と言い、カルト・ブランシュは、「偉大な伝統」と表現しています。
ピノ・ノワール40%、ムニエ20%、シャルドネ40%。
残留糖度 45g/L

2.ヴーヴ・クリコ「ホワイトラベル ドゥミ・セック」

現在は、黄色いラベルで有名なヴーヴ・クリコですが、19世紀に辛口のシャンパーニュ(シャンパン)が主流となり、イエローラベルの辛口を発売するまでは、白いラベルで、甘口を生産していました。19世紀へのオマージュとして、今もホワイトラベルのドゥミ・セックを生産しています。
ピノ・ノワール40~45%、ムニエ30~35%、シャルドネ20~25%。
残留糖度 45g/L

3.テタンジェ「ノクターン セック」

ノクターンとは、夜想曲(夜の情緒を表現しようとする曲)という意味です。テタンジェは、アート・ボトルを発売するなど、芸術を愛するメゾンで、ほかにも音楽に関する名前がついたシャンパーニュ(シャンパン)に、「プレリュード」(前奏曲の意味、こちらはブリュット)があります。
ピノ・ノワール+ムニエ60%、シャルドネ40%
残留糖度 17.5g/L

4.アンリ・ジロー「ラタフィア・ド・シャンパーニュ」

アイ村(グラン・クリュ村)の自社畑で収穫されたぶどうのみを使用し、20年ほど前から作っています。シェリー酒と同じソレラシステムの小樽で熟成させています。化粧品かと思うような、スタイリッシュなボトルが印象的なラタフィアです。
ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%

5.ジャック・セロス「ラタフィア・ド・シャンパーニュ」

ジャック・セロスのラタフィアには、「il était une fois(イレテ チュヌ フォア)」と名前がつけられています。物語の冒頭で「昔々あるところに…」の意味で使われる決まり文句です。本のページをめくって、現実の三次元の世界から、物語の二次元の世界へ入っていくように、異次元の世界に引き込むキーワードとのことです。
シャルドネ100%

6.キュペルリー「ラタフィア」

去年、日本に初入荷したシャンパーニュメゾンで、モンターニュ・ド・ランスの樽を使い、自然なままのナチュラルマロラクティックにこだわり続けている。ラタフィアは、記事のTOP画像で使用したもので、ブロンズがかった琥珀色。発酵前のブドウ果汁にマールを添加し  天然の甘みを残して作った酒精強化タイプワイン。

 

どんなデザートが、甘口のシャンパーニュ(シャンパン)とマリアージュするの?

フルーツ系、クリーム系、チーズ系、チョコレート系、アイスクリームやジェラート…。デザートの種類にもいろいろありますが、甘口のシャンパーニュ(シャンバン)と合わせる時は、同程度の甘さのものがいいとされています。イチゴを例にしてみると、甘ずっぱく軽やかなイチゴムースならセック、カスタードクリームを使ったタルトやミルフィーユなど、しっかり甘いイチゴスイーツなら、ドゥミ・セックがいいのではないでしょうか。
一方、相反する味のものも、素晴らしいマリアージュを生み出します。もしドゥーに出合う機会があれば、ぜひ高カカオのダークチョコレートなどを合わせてみてください。

 

おわりに

デザートシャンはいかがでしたか? デザートに甘口のシャンパーニュ(シャンパン)で、まったり度が増す至福の時を楽しんでくださいね。

                                
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