ダヴィッド・レクラパールは、「ピュア、エネルギー、歓び、エコロジー」という4つの原則に基づいてビオディナミを実践しているRMです。高品質な白ワインと同じようなグラスや温度で楽しむのが向いていて、泡が抜けそうになる頃にようやく本領を発揮するとの評価もあります。そんな通好みのシャンパーニュ(シャンパン)とも言えるダヴィッド・レクラパールをご紹介します。
モンターニュ・ド・ランス地区のトレパイユ村(プルミエ・クリュ村)を拠点とするRM(レコルタン・マニピュラン)のメゾンです。3haで22区画の畑をビオディナミで耕作し、エコセールとデメテールの認証を取得しています。単一年、単一品種で、年間15,000本のシャンパーニュ(シャンパン)を生産しています。
ダヴィッド・レクラパールの歴史
ダヴィッド氏は、曾祖父がぶどう栽培を始めた家系の4代目です。1996年に父親が他界し、母親に家業を継いでほしいと言われると、ビオディナミにするという条件で引き受け、1998年からダヴィッド氏が指揮を執ることになりました。
残念ながらこの年はINAOの検査を通ることができず、スティルワインとしてネゴシアンに売却されましたが、翌1999年には認められ、これが初ヴィンテージとなりました。
○ビオディナミ
ダヴィッド氏は、ある書物の影響から、90年代の初めには、できるだけその土地のオーガニックの野菜や果物を買うようになりました。そして家業であるぶどう栽培家としては、自然を守るために自分はどうあるべきかを考え、ビオディナミの考えにたどり着きました。1995~96年には、自然派の元祖と評されるメゾン、ルクレール・ブリアンで働いて経験を積みました。
自分の畑でのビオディナミへの転換は、簡単なことではありませんでしたが、成功すると土地は再生し、ぶどうの木もみるみる変わっていきました。
○ヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)
ダヴィッド氏が目指すのは、その年の自然そのものを表現することで、生産はすべてヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)です。アッサンブラージュを否定するつもりはないけれど、自分が惹かれるのは、毎年毎年、自然が与えてくれる異なった個性を表すことであって、リザーヴワインを加えてその個性を消してしまうことはしたくないと言います。
ラベルにヴィンテージ表記はありませんが、裏のラベルの「L.V」の後の数字が収穫年です。
○自然のままに
ビオディナミは、デヴィッド氏の唱えるテーマ(ピュア、エネルギー、歓び、エコロジー)に完全に寄り添うと、シャンパーニュ(シャンパン)を通して、自然そのものを表現するクリエイティブな力を持っていると考えています。その年のぶどうが生まれ持ったものを、何も変えることなく、切り落とすことなく、取り除くことなくワインにする力があるということです。
そのため、発酵は天然酵母、亜硫酸は最小限で、清澄、濾過、デブルバージュはしません。ドザージュも基本的にゼロです。またマロラクティック発酵は自然に起こるべき時を待ちます。
・ダヴィッド・レクラパールの入門編とも言えるキュヴェ
David Léclapart L’Amateur Blanc de Blancs Extra Brut ダヴィッド・レクラパール ラマトゥール ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュット
シャルドネ100% ドザージュ0g/L
トレパイユ村の6つの区画のぶどうを使用し、エナメル・コーティングの鉄製タンクで醸造しています。
・木樽で醸造された、樹齢70年のヴィエイユ・ヴィーニュ
David Léclapart L’Apôtre Blanc de Blancs Pas Dosé ダヴィッド・レクラパール ラポートル ブラン・ド・ブラン パ・ドゼ
シャルドネ100% ドザージュ0g/L
1946年に祖父が植えた区画ラ・ピエール・サンマルタン(0.32ha)のぶどうのみを使用しています。
・ぶどうの房ごと4時間かけてゆっくりプレスし、淡いオレンジ色をしたブラン・ド・ノワール
David Léclapart L’Astre Blanc de Noirs Pas Dosé ダヴィッド・レクラパール ラストル ブラン・ド・ノワール パ・ドゼ
ピノ・ノワール100% ドザージュ0g/L
ロゼにするつもりが、悪天候で収穫が悪く急遽ブラン・ド・ノワールにして生まれた、2010年初ヴィンテージの新キュヴェ