シャンパーニュ(シャンパン)は、ラベルを見てもよく分からないし、なんだか難しそうと思われている方も多いかもしれませんね。でもラベルには、その味わいがイメージできるような、重要な情報がいろいろ書かれているんです。ちょっとしたコツをつかんで、シャンパーニュ(シャンパン)の世界を、もっと楽しみましょう! なおラベルのことは、フランス語でエチケットといいます。この5つを押さえれば、シャンパーニュ(シャンパン)を理解して選べるようになりますよ!
シャパーニュ地方以外で作られたスパークリング・ワインは、「Champagne」と表記することはできませんので、まずその表記を見ることで、シャンパーニュ(シャンパン)であることが確認できます。
シャンパーニュ(シャンパン)の名前とは、生産者名またはブランド名です。多くの場合、シャンパーニュ(シャンパン)名が、ラベルに一番大きく書かれています。
有名な「ドンペリ」を例にすると、ドンペリとは「ドン・ペリニヨン」の略で、モエ・エ・シャンドンという生産者が作っている、ブランドの名前です。そして、スタンダード・キュヴェの名前は、「モエ・エ・シャンドン」と、生産者名になります。
ドザージュによって決まる甘辛度の表記を見て、甘口、辛口を知ることができます。辛口のBrut(ブリュット)であることが一番多いですが、近年はドザージュを減らす傾向にあり、Extra Brut(エクストラ・ブリュット)や、Brut Nature(ブリュット・ナチュール)などの表記も増えています。
これはプラスアルファの特徴で、スタンダード・キュヴェには、ない場合が多いです。Blanc de Blancs(ブラン・ド・ブラン)や、Millésime(ミレジム)、Grand Cru(グラン・クリュ)などです。
シャンパーニュ(シャンパン)の生産者には、固有の生産者番号が与えられていて、その番号が必ずラベルに書かれています。多くの大手メゾンがそうであるNM(ネゴシアン・マニピュラン)なのか、人気が高まっているRM(レコルタン・マニピュラン)なのかなど、小さな文字であることが多いですが、最初のアルファベット2文字を見ることで、メゾンの業態を知ることができます。
1.ペリエ・ジュエ「ベル・エポック」
ペリエ・ジュエのプレステージ・キュヴェです。アール・ヌーボーの巨匠、エミール・ガレがデザインしたアネモネがボトルに描かれています。
2.パイパー・エドシック「レア」
1976年から作られている、ヴィンテージ・シャンパーニュです。ぶどうの蔓をモチーフとした金色のデザインがボトルに施され、ゴージャスな雰囲気を醸し出しています。
3.ジェイ・シャルパンティエ「プレステージ・ブリュット、プレステージ・ロゼ・ブリュット」
ぶどうの果実と葉が、可愛らしくデザインされています。栽培はムニエが中心のメゾンですが、デザインの果実は小粒なので、それはピノ・ノワールなのかもしれませんね。
4.デュヴァル・ルロワ「ブリュット・キュヴェ・パリ」
「生きることそのものがアート」というフランスのエスプリを、パリの街の明かりで表現しています。アメリカの人気画家、リロイ・ニーマン氏によるデザインです。
5.ドビ「ブリュット・レゼルヴ」
メゾンのシンボルである赤いひなげしの花が、明るく鮮やかに描かれた、女性生産者らしいラベルです。フランス国旗の色を花で表現するなら、赤はひなげしと言われるほど、ひなげしはフランス人に愛されている花です。
お店にズラリと並ぶシャンパーニュ(シャンパン)の中から、どれを選んだらいいのか迷ったら、まずはある程度の方向性を決めましょう。例えば、
・大手メゾンのスタンダード・キュヴェなどの、オーソドックスなもの(ブリュットであることが多いです)
・エクストラ・ブリュットや、ブリュット・ナチュールといった、ドザージュの少ないもの
・セックやドゥミ・セックの、甘口のもの
・ブラン・ド・ブラン、またはブラン・ド・ノワール
・RM(レコルタン・マニピュラン)が作る、個性的なキュヴェ
・よりリッチにいきたい時は、ヴィンテージ・シャンパーニュなどの、プレステージ・キュヴェ
などです。
そして、それをお店の人に伝えて、いくつかピックアップしてもらってください。あとはお財布との相談なので、予算を伝えるのもひとつの手です。また、ラベルには、生産者のセンスが表れているとも言えますから、ラベルを見てインスピレーションで選ぶのも面白いと思います。どうぞ素敵なシャンパーニュ(シャンパン)との出合いがありますように!