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シャンパーニュのノン・ヴィンテージ(N.V.)とは?おすすめ厳選10本

ワインは、ぶどうの収穫年ごとに作られるのが一般的ですが、フランス北部に位置し、厳しい気候のシャンパーニュ地方では、収穫年に左右されずに安定した品質を保つため、複数のヴィンテージをアッサンブラージュ(ブレンド)するという、独特の製法があります。異なるヴィンテージがアッサンブラージュされたシャンパーニュ(シャンパン)は、ノン・ヴィンテージ(N.V.)と呼ばれます。今回は、ノン・ヴィンテージ(N.V.)にフォーカスして、厳選したおすすめをご紹介します。

 

1.アヤラ(AYALA)

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のアイ村(グラン・クリュ村)を拠点とするアヤラのノン・ヴィンテージ(N.V.)は、「ブリュット・マジュール」で、シャルドネ40%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ20%です。フレッシュでエレガント、そして低いドサージュを、メゾンのスタイルに掲げていて、「ブリュット・マジュール」も、7g/lと低めのドサージュです。

 

2.ボランジェ(BOLLINGER)

ノン・ヴィンテージ(N.V.)の「スペシャル・キュヴェ」は、ピノ・ノワール60%、シャルドネ25%、ピノ・ムニエ15%で作られています。直近の2つのヴィンテージをベースに、マグナムボトルで5〜15年間熟成させたリザーヴワインを加えています。大手メゾンでは数少ない木樽の使い手で、樽職人を抱えてメンテナンスをし、古樽を丁寧に使用しています。リザーヴワインは樽発酵させています。

 

3.クリュッグ(KRUG)

約10の異なったヴィンテージの、実に約120種の原酒が、魔法のようにアッサンブラージュされる「グランド・キュヴェ」は、ノン・ヴィンテージではなく、ヴィンテージを超越した「マルチ・ヴィンテージ」と称されます。使用されているぶどうの比率やデゴルジュマンの日付などの情報は、ボトルに書かれたIDコードから、クリュッグのウェブサイトで知ることができます。

 

4.ドゥラモット(DELAMMOTTE)

シャルドネの聖地である、コート・デ・ブラン地区のル・メニル・シュール・オジェ村(グラン・クリュ村)を拠点とするメゾンならではと言える、シャルドネの比率が高いノン・ヴィンテージ(N.V.)を生産しています。シャルドネ55%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ10%です。良年のみ、ブラン・ド・ブランを作るサロンとは姉妹メゾンの関係にあり、サロンが作られない年は、そのぶどうはドゥラモットに使われています。

 

5.ドラピエ(DRAPPIER)


1808年の創業から家族経営を続けていて、子供たちの将来を考え、1989年から完全無農薬のぶどう栽培に切り替えたメゾンです。現在生産されているノン・ヴィンテージ(N.V.)は、「カルト・ドール」(ピノ・ノワール75%、シャルドネ15%、ピノ・ムニエ10%)です。7g/lと低いドサージュで、25年もの間、樽熟成されたワインが、門出のリキュールに使われています。

 

6.クロード・カザル(CLAUDE CAZALS)


シャルドネの聖地であるコート・デ・ブラン地区のグラン・クリュ村、ル・メニル・シュール・オジェ村と、オジェ村に畑を所有し、ノン・ヴィンテージ(N.V.)の「カルト・ブランシュ」とロゼ以外は、ブラン・ド・ブランのみを生産しているメゾンですが、「カルト・ブランシュ」は、4つの村の、ピノ・ノワール50%、ピノ・ムニエ40%、シャルドネ10%と、黒ぶどうの比率が高くなっています。

 

7.フルーリー(FLUERY)


シャンパーニュ地方で初めて、デメテール(ビオディナミの認証機関)から認証を受けた自然派メゾン、フルーリーが作るノン・ヴィンテージ(N.V.)は、ヨーロッパの花という意味の「フルール・ド・リューロップ」です。1999年から2004年まで、ノーベル賞授賞式後の晩餐会でサーブされたこともあります。卓越したピノ・ノワールを生み出す地、コート・デ・バール地区で、ピノ・ノワール85%、シャルドネ15%で生産されています。

 

8.スゴンデ・シモン(SEEONDE SIMON)

モンターニュ・ド・ランス地区のアンボネイ村(グラン・クリュ村)のRM(レコルタン・マニピュラン)です。年間15,000本の生産量以外のぶどうは他社に販売していて、特にクリュッグへの最大の供給元であることからも、ぶどうの品質の高さが伺えます。ノン・ヴィンテージ(N.V.)は、ピノ・ノワール2/3、シャルドネ1/3のキュヴェN(ニコラ)と、ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%のキュヴェM(メロディー)があります。

 

9 . フランク・パスカル(FLANCK PASCAL)

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区の小さな村の、RM(レコルタン・マニピュラン)です。1998年から農薬の使用を止めてビオロジック農法を取り入れましたが、その後の実験の結果、この土壌では、ビオディナミ農法の方が理想のシャンパーニュ(シャンパン)を追求できると分かり、2010年には完全にビオディナミに移行しました。ノン・ヴィンテージ(N.V.)の「ルリアンス」は、ピノ・ムニエ60%、ピノ・ノワール25%、シャルドネ15%です。

 

10.ミニエール(MINIERE)

ミニエールは、10年の歳月をかけ、2015年に初のキュヴェ「アンフリュアンス(影響)・ブリュット」をリリースした新星のメゾンです。その名前には、樽発酵、樽熟成、長い瓶内熟成をポリシーとするメゾン、ジャック・セロスで修行したことにより、非常に大きな「影響」を受けたという意味が込められています。ピノ・ノワール35%、シャルドネ25%、ピノ・ムニエ40%です。

 

おわりに

ノン・ヴィンテージ(N.V.)のシャンパーニュ(シャンパン)は、メゾンのスタンダード・キュヴェであることが多く、アッサンブラージュ(ブレンド)の技術を駆使して、メゾンが目指すスタイルを最もよく表している商品と言えます。それぞれのメゾンの特徴、個性を感じながら、ぜひゆっくり楽しんでください。

                                
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