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知ってた!?シャンパーニュ(シャンパン)の本当の呼び方や造り方とは

 

シャンパーニュ(Champagne)について

シャンパーニュと聞いて通常のワインとは違うというイメージがないだろうか、単なるスパークリングワインというわけではなく、特別なイメージがある。(ここでは、「シャンパン」ではなく「シャンパーニュ」と表記する。

「シャンパン」は英語読み「シャンパーニュ」はフランス語読みである。日本のシャンパーニュ委員会では「シャンパーニュ」と発音する方を推奨している)

シャンパーニュ(Champagne)の定義

シャンパーニュが作られているのは、パリから150km、車で1時間30分ほど東へいったところ、シャンパーニュ地方でしか造られていない。ここでは、厳しい法律に基づいてシャンパーニュが作られる。

使用される品種もシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類(古代品種8種類も認められているがその生産量はかなり少ない)

ぶどうは全て手摘み、4000kgから1回目の圧搾で2050ℓの果汁(テート・ド・キュヴェと呼ばれる)2回目の圧搾で500ℓの果汁(プルミエ・クリュ)の合計2550ℓのみしか使用されない。

シャンパーニュ(Champagne)の造り方

また、特徴としてはシャンパーニュ方式という造り方。これは瓶内二次発酵というもので、一度作ったワインを瓶詰めし、もう一度瓶の中で発酵を行いグラスに注いだときに出てくる泡をこの醗酵で造っているのだ。

それの後の熟成期間についてもヴィンテージ表記をしないNVでも15ヶ月以上、ヴィンテージシャンパーニュに関しては3年以上の熟成期間が義務付けられている。

シャンパーニュ地方は気候か寒冷なため年によってぶどうの品質の差が著しく、毎年リザーブワインをつくり、色々な年のリザーブワインを混ぜ均一の味のシャンパーニュを作り出している。これもシャンパーニュだけに許されている造り方だ。

あと1つロゼ・シャンパーニュに関してもEU内で、白ワインと黒ワインを混ぜて作ることが許されているのはシャンパーニュ地方だけである。また、特に良い年のもののみヴィンテージシャンパーニュとしてリリースしている。

シャンパーニュ地方について

シャンパーニュ地方にも他のワインの銘醸地と同じく地区、村、畑でランク付けされており、そのほかのランク付けとしてはぶどうの出来が良い年にだけ造られるヴィンテージシャンパーニュ、CLOS(=(クロと呼ばれる区画)モノポール(単一畑))などがある。

代表する地区は5つ

モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブラン。

この3地区にはグラン・クリュ(特級畑)があり、

コート・ド・セザンヌ、コート・デ・バールの2つはシャンパーニュ地方の南に位置し、

「プルミエ・クリュ(1級畑)」を持っている。

それぞれに個性があり、特にグラン・クリュを持つ3つの地区では造られるぶどう品種も変わってくる。

モンターニュ・ド・ランスは「ランスの山」と言う意味で、シャンパーニュ地方の北部に位置し、グラン・クリュは9つ。主に上質なピノ・ノワールの産地で一部にシャルドネも栽培している。

ヴァレ・ド・ラ・マルヌは「マルヌ渓谷」という意味。ランスの南側にあり、主にピノ・ムニエの生産地。マルヌ川の流れに沿うように約100キロにわたり両岸の斜面にぶどう畑が広がっている。

空気が澄んでいる晴れた日はこの川面が太陽の光を受けキラキラと輝いて、ぶどうの木を照らしている。

この地区でのグラン・クリュは2つ。中心はピノ・ノワールで有名なアイ村がある。アイ村のシャンパーニュの作り手に「日本語で『アイ』とは『ハート“愛”』」と言うととても喜んでくれたことがあった)

その南にあるコート・デ・ブランは「白い丘」と言う意味で、栽培されているぶどうのほとんどが上質のシャルドネである。

南北にかけて伸びる丘の東と南にぶどう畑が広がり、6つのグラン・クリュがある。

この3地区にある17のグラン・クリュで造られるシャンパーニュは、

ラベルの表示に『GRANDCRU(グラン・クリュ)』の記載が許される。

また、17のグラン・クリュ単一でも複数のグラン・クリュを混ぜてもいいことになっている。

「モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ」9つ

シルリー、マイィ、ヴェルズネイ、ヴェルジー、アンボネイ、ブジー、ボーモン・シェル・ヴェスル、ルーヴォワ、ピュイジュー

 

「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ」のグラン・クリュ2つ

アイ、トゥール・シュル・マルヌ

 

おわりに

近年、このグラン・クリュをもたないプルミエ・クリュの生産者が「グラン・クリュという名前にあぐらをかいているようなシャンパーニュを超える素晴らしいプルミエ・クリュのシャンパーニュを造ろうと」いう動きが出てきている。

9月の収穫時期に訪れたコート・デ・バールの生産者の畑は、きめ細やかに畑が手入れされ、ぶどうの葉に夕暮れの太陽の暖かい光が映りなんとも幸せな空気が漂っていた。

このような土地で造られるシャンパーニュはさぞかし優しく心を癒してくれそうだ。このように一口でシャンパーニュと言っても、場所の違いや畑違い、作り手の違いによって様々な味ができてきます。

                                
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