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【インスタライブ翻訳】クリュッグの当主オリヴィエ×ニコラの対談【前半編】

コロナ感染症の拡大で自粛生活が続く中、いろんな生産者がインスタライブ、ZOOM飲みなど開催されていつもと違った生産者の話しが聞ける貴重な機会は嬉しいですね! そこで今回は、ランスにあるワインショップのNicola Papaveroが友人でもあるクリュッグの当主Olivier Krugとインスタライブのフランス語配信をパリ在住の友人に翻訳して頂いたので、ご紹介します。

 

楽しみにしいたインスタライブがフランス語で真っ青…

てっきり英語配信かと思っていたら、まさかのフランス語で友人と戸惑いつつ聞いても単語すら拾えない。オリヴィエ氏が1時間もこのような公開形式のインスタライブで話すって珍しい…どうやら新作のキュベの話しをしている模様。

クリュッグはシャンパーニュが大好きになったキッカケでもあるメゾンで、今回は春に訪問予定だったのもあり、やはりここはどうにか翻訳して内容を知りたいという思いで録画しました。シャンパーニュ愛強めです(笑)

パリ在住でフリーで日本語教師をしている友人のフォシェ美江さんにお願いしたところ、快くお引き受けいただき感謝! しかも旦那さんがソムリエで細かいところまで確認して頂いて、とても丁寧な翻訳ですのでぜひご覧ください。

Nicola Papavero×Olivier Krugの最近の近況や聞きたいと思ってること

 

・メゾンについてと彼の活動について(旅行・出張が多い)
・お客様との関係、マスタークラスをどのように運営しているか。
・新しいグランキュベが発売されるがフランスではいつ発売されるのか聞きたい
・メゾンやブドウ畑、カーヴのシェフ(責任者)が変わったこと年初から新しい
チームになりどのように成功を収めているか。どのような状況か説明を
・メゾンの活動についてはベルメゾンクリュッグ

 

インスタライブ録画の翻訳

 

オリビエ 招待を受け取りましたか?
彼とつながりました。皆さんと一緒に彼と話せるチャンスです!

Nicola Papavero;N Olivier Krug:O 以下略

O;家で監禁状態ですが、元気です。
本来なら近所だから君の家に飲みに行きたいところですが、
行けないので、オンラインで一緒に飲みましょう。
N;私はロゼの3番目もエディションを用意しました。
O;邪魔しないですよ!(お構いなく)
N;今日の主旨を説明します。もし大丈夫だったらで良いんだけど。
O;何でも大丈夫ですよ。
N;私とインスタライブに参加している視聴者のために、いくつか質問に答えて欲しいと思っています。
まず、メゾンについての歴史やある男性の夢というエピソードが好きなのでそ
れを話して欲しいと思います。

外出禁止令発令中の活動について、いつもは世界中を駆け回っていますが、今
はどのように運営されているか。マスタークラス、中級クラスの件などを教えてください。
また、最近の事柄について、新しいグランキュベ 168がインターネットで発売されると見たのですが、フランスでは見ていないので、その件について話してくれますか?

O;それは今飲んでいるものです。
N;大丈夫ですか?
O;もちろんです。

N:ではメゾンの話からお願いします。ある男性の夢についてお願いします。
O:ご存知ない方が多いと思いますが、テクニックの面など、一般的に既に知
られているメゾンと違いがあったりします。KRUGはかなり独特で、既に忘れられているテクニックもあったりします。他で以前に学んだことと違う場合もありますね。

新任のシェフが書物と照らし合わせて行きますが、今までとの違いにストレスを感じることもあり、どうやってメゾンとしてシャンパーニュを作っていくべきかと思うこともありますが、家系学介入していないメゾンではシャンパーニュは成功し得ないのです。これがメゾンの話(独自性)です。

ある男性の夢というのは私の高祖父(ひいひいひいお爺さん)にあたるジョゼフ クルッグ、ナポレオンボナパルト時代フランスの占領下にあったドイツのマイヨンスに1800年に生まれ、1820年代にパリに移住。

彼はその当時シャロン=アン=シャンパーニュにあったシャンパーニュのグランメゾンのジャクソンと知り合い、10年ほどそこで働き、ジャクソン夫人の姉妹(どちらかわかりません)と結婚しました。ジャクソン氏との関係はよくとても仲良くしていました。
ジョゼフ クリュッグが困っていたことはシャンパーニュを味わう喜びが100ヶ月後しかわからないこと。

気候によって左右されること、良い年は素晴らしいシャンパーニュが出来ます。良いぶどうが収穫出来ればグランクリュとされ、認定のスタンプが押されてビンテージになります。

そうでない時はイレギュラーになりますが、それなりに最良のものにしていく。出来る限り良いものを作るようにします。

マルクハイマーの書斎にあった信じられない手紙があります。カメラでは逆さまに映っているようですが、1842年8月の彼の奥さんが書いた手紙があるのですが、それぞれのクリュッグは全て上手くいっていて、私達の赤ちゃん(シャンパーニュ)は順調でとても良い状態で巣立って行きます。私たちはとても満足しています。

私達の夢を捨てないでください。そこから夢rêve という言葉をとっていま
す。

彼女は旦那さんが一瞬おかしくなってしまったと思いましたが。私はその良い状態、その考えから決別する、0から始める、と言っても本当に0ではないが私はどの年でも最良のシャンパーニュを作っていくと。

そんなシャンパーニュは存在しませんでした。シャンパーニュはヴィンテージ、ノンヴィンテージとありますが、各年の影響を取り除いています。

後で話しますが、168番目のグランキュベがありますが、これはシンプルにジョゼフクリュッグの168番目の夢をメゾンが実現したものであると言えます。
その実現のために彼はノートに事細かに分析や確認を繰り返しています。

これがシャンパーニュの豊かさだと言っても過言ではありません。私達シャンパーニュ仲間の中で行っていますが、シャンパーニュはまるで金塊のように本当に
貴重な最高峰のワイン産地であると。それが我々の長年のモチベーションと誇
りになっています。気候の素晴らしさもあります。

ジョセフは年によるバリエーションだけでなく、あなたは私よりも良く知っていると思いますが、何万とあるぶどう畑があり、各地域、村によっても違いますし、シャンパーニュにも15〜17000のぶどう畑があります貴重なぶどう畑は280000区画あります。

同じ地域でも区画によっても違いが出ることに面白さを見出したジョゼフ クリュッグは当初から区画の違いに着目し、記録のノートを自宅に持ってきていますが、彼の息子に伝えるために彼の頭の中にあるシャンパーニュについて記入して
いるのですが、良いシャンパーニュは良い要素と正当な起源に由来するという
こと。

それは彼のビジョンでしたが、その当時は詳細に気を配っていたとはいえ、そのようなことは言われていませんでしたが、今で言う区画論と言うことです。

詳細はクリュッグの独自性につながるわけですが、どれぐらいあるか正確なことは言えませんが、例えばある年に50の違うワインがあるとして、3つのワインのタンクをぶどう品種毎にチェックします。

良い年にはその状態をキープして置いておきます。

難しい年には区画毎に良い状態のものを探します。足りない場合はキープしているシャンパーニュを合わせるようにするわけです。

いつも一定のクオリティを保つことが出来る。彼の夢であるクオリティの均一化を果たすことが出来るわけです。

168番目の彼の夢ですが、これはそれぞれのぶどう畑を区画毎に管理しているお陰であると言うことが出来ます。

N:メゾンのシャンパーニュのそれぞれの番号についての特徴を言い表すとした
ら、例えばワインリストに書くとするとどのように言い表しますか。

O:あなたのような専門家に良く聞かれる質問だと思いますが、私のようなメゾ
ンで生まれ育っているものにとっては、メゾンの独自性であり、秘密であるこ
とが多いのですが、友達として、メッセージを楽しんでもらいたいので言うと
すると、シャンパーニュにも大きな危機がありました。

愛好家は信頼しているから新しいシャンパーニュを待つというようなポジションだったのですが、あなたのくらいの世代の人達は状況を知りたがります。どういうことがあったのか、何があってこうなったのかなど。

このような変化を周りの人達とディスカッションしました。

社長のマギーは知っていると思いますが、最初はそれは無理だと話していましたが、私自身も10年くらい前から世代の変化感じ始めました。そこでクリュッグIDをマークすることに至りました。

クルッグのアプリケーションを無料ダウンロードしてナンバーを入れるとボトル毎の全てのストーリーが分かるようになりました。以前はどちらかと言うと秘密主義的なところがありましたが、今は全てが分かるようになり始めた。

アメリカの大きなエキスパートが今週シャンパーニュに来る予定になっていま
したが悲しいことにキャンセルになりました。
彼はクルッグは全ての情報を透明化することをCPRに発表したとポストしまし
た。(9月6日から?途中で音が切れて不明)
ジョゼフは作ったエディション毎にエチケットをつけ始めることを決めたのです。

ニコラの声が聞こえなくなりました。
メッセージに答える。

最新の168のクリュッグキュベは今年の9月か10月にフランス市場に出来るだけ早
く発売したいと思っています。世界各地にも早く輸出し始めます。
前回の167は2012年に収穫されたもので、その年は素晴らしい年でした。もう
そのビンテージで出荷されているものは沢山ありますが、とても素晴らしい年
でした。今回はその後、2013年以降に収穫されたものです。

私はよく覚えていますが、書籍の記者が収穫の最初の日に、世紀の収穫だと言っていましたが、新しい47のヴィンテージであると言われましたが、結局のところ収穫は大変でした。クリュッグは2012年に素晴らしいキュベを作った今度も安泰であろうと。

しかし、そう言うわけには行きませんでした。
クリュッグがまず行わなければならないことは、新しいクレアシオンとなる創設者の夢を実現すること、それは簡単なことではありませんでした。

2012年は大変で、私達はただ良いワインを作れば良いとは考えていません。2012年と2013年のデギュスタシオンを行いましたが課題が多く、それぞれのワインの個性が強く管理が大変でした。

167の調合に関してはテクニックと詳細が必要で、198のワインと11年違う2012年〜1996年の間のものを使用したことになります。

繋ぎ直すことにするので、皆さん居なくならないでくださいね。

 

後半編につづく…

 

今回インスタライブ配信してくれたNicola Papaveroのショップ情報

Le Vintage Reimes
ビンテージワインショップ
火曜日〜土曜日 10時〜13時 16時〜18時30分
外出禁止中の難しい状況
ウイスキービンテージショップ
水曜日〜金曜日 14時〜16時
オンラインFacebookからオーダー可能
https://www.facebook.com/LeVintageReims/

 

今回の翻訳者

パリ在住のフリーの日本語教師 フォシェ美江さん
パリ×東京ライフスタイルブログ

 

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