コサンスは、栽培するぶどうはすべてピノ・ノワールというRM です。メゾンが単独所有する畑の細かな個性を熟知し、ブラン・ド・ノワール5つ、ロゼ1つ、コトー・シャンプノワ2つという、畑の個性をそれぞれ活かした8アイテムを生産しています。2006年設立の新星メゾン、コサンスをご紹介します。
コート・デ・バール地区のヴィル・シュル・アルス村を拠点とするRM(レコルタン・マニピュラン)のメゾンです。ラルジリエという3.5haの区画を単独所有し、ピノ・ノワールのみを栽培しています。生物多様性の保全を考えた耕作をしています。シャンパーニュ(シャンパン)のキュヴェ6種、コトー・シャンプノワ(赤ワイン)2種の計8アイテムを生産しています。
コサンスは2006年にスタートしたまだ新しいメゾンです。当主はジェローム・コサンス氏です。コサンス家は5世代前から畑を所有し、収穫したぶどうを販売していましたが、大手メゾンで7年勤めたジェローム氏が継ぐにあたり、元詰めを始めることとなりました。
○ラルジリエを4タイプに区分け
ジェローム氏は、モノポール(単独所有)であるラルジリエは、さらに4つに区分される特徴を持つことに気づきました。そしてそれぞれの区分を、ミネラル、フルーティ、フラワリー、サブスタンスと名付けました。この特徴を見極めた上で、8つのアイテムを生産しています。
○ひとつの区画で、ひとつの品種で、ひとつの哲学で
ジェローム氏が持つ哲学とは、ブルゴーニュのスタイルです。ラルジリエというひとつの区画のピノ・ノワールのみを用います。「カレス・ドトンヌ」以外は、ヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)です。基本的にステンレスタンクでの醸造ですが、「レ・サン・ボワゼ」には木樽を使います。これはシャブリの古樽です。マロラクティック発酵は行ないます。
○キンメリジャンのピノ・ノワール
2011年にラルジリエの地質を調べてみたところ、キンメリジャン・マールNo.2のタイプで、シャブリの最上エリアとそっくりだということが分かりました。コサンスのピノ・ノワールは、長い時間をかけてこの土壌の奥深くまで根を伸ばし、優れたぶどうになるべくあらゆる要素を吸収します。
そんなピノ・ノワールを完璧に熟した状態で収穫して、独特のテロワールを表現するキュヴェを生産しています。
なおジャック・セロスの次期主であるギヨーム・セロス氏の個人ブランド、ギヨーム・エスの「ラルジリエ」は、このコサンスのピノ・ノワールが使用されています。
フルーティとフラワリーの区分のぶどうを使ったスタンダード・キュヴェ
Coessens Blanc de Noirs Brut コサンス ブラン・ド・ノワール ブリュット
ピノ・ノワール100%
表記はありませんがヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)です。年に10,000本の生産です。
やや高めの温度(12℃)で、白ワイングラスで飲んでほしいという木樽使用のキュヴェ
Coessens Les Sens Boisés Extra Brut コサンス レ・サン・ボワゼ エクストラ・ブリュット
ピノ・ノワール100%
サブスタンスの区画のぶどうを使用しています。良年のみ2,000本の生産です。
サブスタンスの区分のより厳選したぶどうを使ったヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)
Coessens Millésime Extra Brut コサンス ミレジム エクストラ・ブリュット
ピノ・ノワール100%
他のキュヴェより長く瓶内熟成させます。良年のみ3,000本の生産です。