ドゥモアゼルは、お嬢さんという意味の通り、柔らかで女性的なイメージのシャンパーニュ(シャンパン)です。植物などをモチーフにした、曲線的なデザインが特徴のアールヌーヴォー好きが高じて、アールヌーヴォーへの賛辞を表すべく新たに作られたブランド、ドゥモアゼルをご紹介します。
「アイリスの花のような、エレガンスとフェミニン」をコンセプトに、ヴランケン・ポメリー・モノポール社が1985年からリリースしているブランドです。アールヌーヴォー調の美しいデザインのボトルに入った、シャルドネが主体の洗練されたシャンパーニュ(シャンパン)です。
社長のポール・フランソワ・ブランケン氏が1976年に創業したヴランケン社を起源とし、現在は、ポメリー、ディアマン、エドシック・モノポールなど、複数のブランドを取り扱っています。
ヴランケン社長は、ベルギーから単身でシャンパーニュ地方に移り住み、27歳でシャンパーニュ(シャンパン)作りを始めたという人物です。それから40年ほどで、現在の大会社のオーナーの地位を築き上げました。
ある時、ラ・ドゥモアゼルという区画に建つ城を手に入れたヴランケン社長は、ドゥモアゼルという名の、アールヌーヴォーへの敬意を込めた新しいブランドを作ることを思いつきました。
というのも、ドゥモアゼルには、お嬢さん、トンボという2つの意味があるのですが、ルネ・ラリック(宝飾デザイナー)の「トンボの精」というアールヌーヴォーの最高傑作もあり、長年アールヌーヴォーが好きなヴランケン社長にとっては、ドゥモアゼル、すなわちトンボは、アールヌーヴォーの象徴にほかならなかったからです。
そして1985年、アールヌーヴォー調の美しいボトルの、ドゥモアゼルが誕生することとなりました。
使用するぶどう
4つのキュヴェがありますが、いずれもシャルドネが主体です。プルミエ・クリュ以上の畑から厳選したシャルドネを用いています。「エレガンスとフェミニン」というコンセプト通り、柔らかでエレガントな味わいです。
アールヌーヴォー調のボトル
女性的な丸みを帯びた、エレガントなボトルの下部には、アールヌーヴォー調の流れるような曲線のエンボス加工が、施されています。これは、ドゥモアゼルのシンボルマークであるアイリスのイメージをデザインしたものです。
ヴィラ・ドゥモアゼル
2002年にポメリー社を買収したヴランケン社長は、ランス市にある、ポメリー社が所有していた館を再建させました。これは、アールヌーヴォーとアールデコの折衷様式で1906年に建てられたもので、この館に一目ぼれしたヴランケン社長は、買収当時は荒れていた状態だったものを、4年かけて見事に建築当時の様式に修復しました。今はドゥモアゼルの試飲もできる、1時間ほどの内部見学ツアーがあるほか、パーティなどで利用することもできます。
Demoiselle Grande Cuvée Brut ドゥモアゼル グランド・キュヴェ ブリュット
シャルドネ60%、ピノ・ノワール 30%、ピノ・ムニエ10%
ドゥモアゼルのスタンダード・キュヴェです。アイリスカラーである紫色のラベルです。
Demoiselle Premium Cuvée Brut ドゥモアゼル プレミアム・キュヴェ ブリュット
シャルドネ80%、ピノ・ノワール20%
グランド・キュヴェよりもシャルドネの比率が高く、より繊細なシャンパーニュ(シャンパン)です。
Demoiselle Rosé Brut ドゥモアゼル ロゼ ブリュット
シャルドネ85%、ピノ・ノワール15%
ブジー村(グラン・クリュ村)のピノ・ノワールを使用しています。フルーティなロゼです。
Demoiselle La Parisienne Millésimé ドゥモアゼル ラ・パリジェンヌ ミレジメ
シャルドネ80%、ピノ・ノワール20%
グラン・クリュ村、プルミエ・クリュ村のぶどうのみを使用した、ヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)です。