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知っていると楽しい!シャンパーニュのヴィンテージや当たり年とは

シャンパーニュ(シャンパン)のラベルには、ヴィンテージ(収穫年)の表記があるものと、ないものがあります。多数を占めるのは表記のないもので、表記があるものは、ヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)と呼ばれます。今回は、シャンパーニュ(シャンパン)のヴィンテージについて、ご紹介します。

 

シャンパーニュ(シャンパン)ヴィンテージはどんなもの?

一般的なワインのラベルには、すべてヴィンテージの表記があります。その年に収穫したぶどうで作ったワインということです。

一方、シャンパーニュ(シャンパン)の場合は、スタンダード・キュヴェのほとんどが、複数のヴィンテージをアッサンブラージュしているので、ラベルにはヴィンテージの表記がありません。これをノン・ヴィンテージ(N.V.)と呼びます。フランスの北部に位置するシャンパーニュ地方は、ぶどう栽培には気候が厳しく、出来のいい年、悪い年があって、単一年のぶどうでは、品質を安定させることが難しいために取られている製法です。

しかし、天候に恵まれ、良いぶどうができた年には、その年のぶどうのみでシャンパーニュ(シャンパン)を作ることもあります。これをヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)といいます。ミレジム、またはミレジメとも呼ばれ、もちろんラベルにヴィンテージが表記されます。ノン・ヴィンテージと違って、その年独自の特徴を持った味わいとなる、特別な存在のシャンパーニュ(シャンパン)です。

なお、ヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)は、ティラージュ(瓶詰め)の後、3年以上熟成させてから出荷することが義務づけられていますが、もっと長期の熟成を経てからリリースされるものも多く、ノン・ヴィンテージよりも高価であることがほとんどです。

 

1980年代以降で、シャンパーニュ地方が天候に恵まれた年、いわゆる当たり年をご紹介します。

 

1982年

ぶどうにとっての理想的な生育条件が揃った、稀有な年でした。また収穫も、前年の3倍という十分な量で、全てにおいて申し分ない年でした。

 

1985年

前年の不作から一転し、フランス全土で偉大なワインが生まれた年でした。収穫量は少ないものの、高品質なぶどうが成熟しました。

 

1988年

春の悪天候から厳しい条件が続きましたが、豊かな日照量があった年でした。収穫時期は例年より遅めでしたが、熟度も酸度も高いぶどうができました。特にシャルドネが理想的に成熟しました。

 

1990年

フランスだけでなく、ヨーロッパ全体が素晴らしい年でした。シャンパーニュ地方では、88年、89年、90年と、傑出した良年が3年続きました。

 

1995年

ぶどうの展葉の時期に、氷点下の気温に見舞われることもありましたが、その後は順調に推移した年でした。夏は暑く、熟度、酸度ともに充実したぶどうができました。

 

1996年

力強さとシャープさを兼ね備え、長期熟成に耐えうるシャンパーニュ(シャンパン)ができる、熟度も酸度も高くてしっかりしたぶどうができた年でした。

 

1999年

例年より気温が高く、降水量も多い年でした。酸度は低めですが、ぶどうは健康的に成熟しました。特にシャルドネが高品質でした。

 

2002年

日照量の多い、乾燥した暑い夏で、より濃厚で凝縮感のあるぶどうが育った年でした。特にピノ・ノワールが理想的に成熟しました。

 

2004年

ぶどうの成熟がゆっくりだったので、遅めにはなりましたが、酸度は保持された健康なぶどうが収穫された年でした。

 

2008年

夏の温度差が激しかったために、十分な熟度のぶどうができ、また酸度も高めで、バランスの取れたぶどうが収穫できた年でした。

 

おわりに

ここでご紹介したのは、特に当たり年とされるヴィンテージです。その他の年にも、ヴィンテージ・シャンパーニュ(シャンパン)は作られていますので、お祝いの時などには、記念の年のヴィンテージ・シャンパーニュを探してみてはいかがでしょうか。より特別感が増すことと思います。

 

                                
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