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迷ったときの救世主?パーカーポイント90点以上のおすすめシャンパーニュ10本

「パーカー・ポイント〇〇点」という表記を見たことがある方は多いと思います。米国人のロバート・パーカー氏によるワインの評価点で、「消費者のためのワイン評論」をモットーに、広告は取らず、中立な立場での評価がされています。そこで今回は、パーカー・ポイント90点以上を獲得したシャンパーニュ(シャンバン)にフォーカスして、厳選したおすすめをご紹介します。

 

パーカーポイントってどんなもの?

これは、1978年から発行されているワイン情報誌「ワイン・アドヴォケイト」に掲載されている、米国人のロバート・パーカー氏によるワインの評価点です。100点満点で、評価に値するワインには、まず50点が与えられ、そこに香りや味わいなどの評価点が加算されていきます。

96点~100点 破格

90点~95点 傑出

80点~89点 並以上から優良

70点~79点 並

50点~69点 並以下

 

1.ジャック・セロス「シュブスタンス グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット」96点

「本質(シュブスタンス)」と名付けられた、ジャック・セロスの看板ワインです。アヴィーズ村産のシャルドネを、1984年収穫分からのワインが入っている、独自のソレラシステムで熟成させることで、唯一無二の味わいを生み出しています。ヴィンテージの特色を消し去って、アヴィーズ村のテロワールを出現させるという哲学からの、独自のシステムです。

 

2.アンドレ・クルエ「シルバー ブリュット・ナチュール」91点

特注のステンレス・タンクで発酵を始め、発酵の途中で4段階に分けてバリック(木樽)に移していくという、当主のジャン・フランソワ・クルエ氏が自ら考案した方法で発酵を行います。ドザージュ(補糖)をしないので、ブージィ村とアンボネイ村産の上質なピノ・ノワールの個性を、ストレートに感じることができる、ピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールです。

 

3.パイパー・エドシック「レア ミレジム 2002」95点

「レア」は1976年に初めて作られました。かつて経験したことのないような猛暑の夏で、満足のいくワインができるのか危ぶまれた年でしたが、結果は、素晴らしい出来となりました。以来、自然の力を感じるレア(稀有)な年に生産されています。2002年は、シャルドネ70%(オジェ村、ヴィレール・マルムリー村、アヴィーズ村)、ピノ・ノワール30%(ヴェルジィ村)で、8つのクリュのアッサンブラージュです。

 

4.ナタリー・ファルメ「ブリュット」91点

女性としては数少ないエノログ(ぶどう栽培・ワイン醸造技術者)の国家資格を持つナタリー・ファルメ女史は、醸造コンサルタントとしての仕事と並行して、2000年に家業のメゾンを継承し、2009年に自身のブランドをリリースしました。拠点とするコート・デ・バール地区のテロワールを表現するシャンパーニュ(シャンパン)を生産しています。ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%です。

 

5.ジャン・ローラン「ブラン・ド・ノワール ブリュット」93点

基本的にぶどうは単一で、ブラン・ド・ノワール、ブラン・ド・ブラン、ピノ・ノワール100%のロゼを生産し、ほとんどのキュヴェで90点以上を獲得しているメゾンです。コート・デ・バール地区の16haの畑でピノ・ノワール70%、シャルドネ30%を栽培しています。ブラン・ド・ノワールは、5年分のワインをアッサンブラージュしています。

 

 

6.ポル・ロジェ「ブリュット ヴィンテージ 2006」94点

イギリスの元首相チャーチルが愛飲し、自分の競走馬に「ポル・ロジェ」と名付けるほどの惚れ込みようだったという逸話のあるメゾンです。このキュヴェは、20ものグラン・クリュとプルミエ・クリュの、ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%を用いています。ルミアージュ(動瓶)を重視し、今も職人が手作業で行なっています。2006年は、特にピノ・ノワールが良作だったと言われる年です。

 

7.リルベール「ブリュット グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン」91点

クラマン村を拠点とするリルベールは、自社畑3.5haという特に小規模なRM(レコルタン・マニピュラン)です。クラマン、シュイィ、オワリーの3つのグラン・クリュ村で、シャルドネを栽培しています。同じシャルドネでも、村ごと、区画ごとに個性があるので、収穫、発酵、熟成も区画ごとに分けて行い、異なる個性のワインを作ります。それらをアッサンブラージュすることで、複雑さを出しています。

 

8.ブルーノ・パイヤール「ロゼ プルミエール・キュヴェ」92点

「極めて純粋なシャンパーニュ(シャンパン)を作りたい」との思いで、1981年に設立された新しいメゾンです。一番搾り(プルミエール・キュヴェ)の最もピュアな果汁を用い、ドザージュも6g/L以下のエクストラ・ブリュットにして、純粋さを追求しています。ロゼは、ピノ・ノワールから白ワインと赤ワインを作り、これを主体に、少量のシャルドネがアッサンブラージュされます。比率は非公開です。

 

9.アグラパール「ヴェニュ ブリュット・ナチュール ブラン・ド・ブラン 2007」95点

アグラパールは、それぞれにコンセプトを持った、複数のブラン・ド・ブランを生産しています。そのうちのひとつ、ヴェニュは、1959年に植樹された、0.3haの単一畑のシャルドネから作られます。樽発酵の後の瓶詰めの際は、王冠ではなくコルクを用います。このキュヴェだけドザージュなしです。またヴェニュとは、かつてこの畑を共に耕した、今は亡き馬の名前です。

 

10.ルイナール「ドン・ルイナール ブラン・ド・ブラン ブリュット 2002」96点

※画像はドンルイナール2004になります。

メゾン創設者のおじ、ドン・ティエリー・ルイナール氏の名を冠した、プレステージ・キュヴェです。ベネディクト修道会の高僧だった彼は、シャンパーニュ(シャンパン)の将来性を確信し、その製法を甥に伝えました。ルイナールは、その甥が1729年に創設した、世界初のシャンパーニュ・メゾンです。コート・デ・ブラン地区とモンターニュ・ド・ランス地区の、グラン・クリュ村のみのシャルドネを用いています。

 

おわりに

優れたテイスティング能力を持つパーカー氏によるパーカー・ポイントは、ワインの価格に関係なく、公平な選択ができる指針として、とても参考になります。ただパーカー・ポイントが高いワインは、果実味が強く、樽熟成されたものが多い傾向にあるとも言われています。

人それぞれに好みもありますし、その傾向を踏まえた上で、ひとつの評価方法として参考にしていただければと思います。

                                
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